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抱擁のかけら [映画(劇場)]



ペドロ・アルモドバル監督さんの作品は、
とても色彩が美しく、さりげない場面でも、
オブジェクトの色、配置、役者さんの服飾にとても凝っています。
出演者も監督お気に入りの常連さんが沢山出演されてますが、
作りが何時もと、ちょっと違う印象を受けました。

ストーリーは、昔、映画監督をしていたが視力を失ったため、脚本家として
生活していた主人公に、過去と対峙する必要がある出来事が起きます。
そしてその過去の鍵は、ペネロペクルスさんな訳です。

フランス映画で好まれる”運命の女で人生が変わる”
ファムファータル映画的な要素が強いです。

監督さんのイメージを支えてるのが、ロドリゴ・プリエトさんという撮影監督で
メキシコ人のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督
(バベルとか、21グラムの監督さんです)
とよく仕事をされてる方です。
前作の帰還ボルベールは、別の方が撮影してましたが、
横とか奥にカメラがズーッと流れて周りを見渡すシーンが印象的でしたが、
今回は、役者さんを図った様に
綺麗にピタっと画面に収めているので、人の静と動が目立つ感じです。

あと、アルモドバル監督は、過激なセリフや、場面をさらっとユーモアのある
演出をされますが、今作は、心理や、境遇の変化の対比を、
セクシャルな場面で印象付ける演出をされてます。

中盤、ベットシーン比較があるのですが、惨酷なほど、
心理状態がわかりやすい演出があります。
ペネロペさんの脱ぎっぷりも、ナイスバデも立派です。恐れ入りました。
普通の人モードと、女優モードの演じ分けも凄いです。
前作は肝っ玉母さん的な親しみやすい面が”ひまわり”っぽい感じでしたが
今作は、女優を目指す”薔薇”のイメージですね。
前半、おフランス展開に”んー?”と思いましたが
(しかも、おとんの癌治療で、売春クラブって・・・しかも愛人ですよ)
後半、逃避行の海岸の写真
”これは私たちね”
しびれました。美しいです。

破いた写真を机に広げるシーン。
そして、ラストキスに手を当てるシーン。
終わり方がどうよ?と思いますが
とても余韻が残る作品です。

日本の広告の”究極の愛”はちょっと引きましたけど。
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CORO

アルモドバル監督の作品は鮮烈で、
そのスペインらしい血の濃さにクラクラします。
日本の広告屋さんはそれに負けまいと
気負ってしまったんでしょうか^^;
by CORO (2010-02-12 00:03) 

aneurysm

COROさんniceありがとうございます。

やっぱり情熱の国スペインでしょうか?
前作ボルベールに特典で、監督贔屓の
女優さんの座談会がありましたが、
みんな熱い人ばかりです(笑
by aneurysm (2010-02-13 10:15) 

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